楽なカンショ育種試験での移植作業

座りながら楽にサツマイモの移植作業をしいます．これなら一日中作業しても疲れない．苗を予め番号順に揃えておくことで，数多くの系統を連続的に間違えず移植できます．実に画期的なのです．理由は；

１．育種＝体力勝負，の誤ったイメージを払拭できる．本当に大切なのはやはり訓練された頭脳である（時にしゃにむに体を動かす必要はどのようなことにもあるけどね）．
２．その分，別の実験や勉強ができる（精神的余裕が大きい）．現代の育種は圃場も大切だけど，それ以外の部分が大きくなっている．
３．作業がシステマチックになり，疲れず，その結果間違いが減る（育成品種の交配両親名の間違い率は数％を上回ると思う）．
４．人手集めが楽になる．
５．勘だ，経験だ，体力だ，などという前近代的な口癖やへ理屈が効かなくなる．

　若き日の米国留学中に牧草育種で似たようなのをスライドで紹介されたときの衝撃をいまだに忘れない．人により感受性は異なるであろう．なんでこれが画期的かと．実際このときも嘲笑に似たざわめきもあった．私は違った．米国留学は育種先進国で何か「カッコ良い」ことを学びたかったのだが，実際のところ一番痛切に感じたのは，育種のバックをなす作物生産の圧倒的な力強さと，それを基にした育種家のプラクティカルな研究への確信であった．その象徴がこのスライドだった．旧来の育種への自信と，その改善が大切と悟った次第です．圃場作業を強調することで育種入門候補者を選抜してはいけないのです．

麦の播種器も同様です．ところで，これ水稲移植にも使えないかな．